「ピモベンダンという心臓薬について」   ワンちゃんを飼われている方、特にそのワンちゃんに心臓病が見つかったというご家庭で、タイトルにある“ピモベンダン”というお薬を飲ませている方はいらっしゃいますか？   ちなみに、このピモベンダンというのは薬の“成分”の名前です。 動物用薬品としては、 “ベトメディン” “ピモべハート” “ピモハート”など、様々な名前で流通しています。   このピモベンダンというお薬は、ワンちゃんの心臓病で多い、弁膜症の治療薬です。 弁膜症の程度にもよりますが、多くの場合に症状を改善させる効果が期待できるため、近年では使用機会が増えてきています。 実際に、心臓が悪いワンちゃんの寿命は、このピモベンダンの登場でググッと伸びたと言われます。   しかし、このお薬、もともと人の心臓病患者さんに使用されていたのですが、医療分野では現在はあまり使われていません。 このお薬を飲んだ人の方が寿命が短くなってしまったという、望ましくない結果報告が一部でされたことがきっかけと考えられています。   人の心臓病治療を目的に作られたお薬が人では使われなくなり、今ではワンちゃんの心臓病を治療するために広く使われているというのは、なんだかちょっと不思議ですね。