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2020年12月09日「吾輩は猫である」のモデル猫は野良の黒猫

「吾輩は猫である」のモデル猫は野良の黒猫夏目漱石は、明治・大正時代に活躍した有名な文豪です。その代表作の中に、「吾輩は猫である」という作品があることは、多くの方がご存知でしょう。猫の目線から人間の生活の奇妙さや不思議さを観察したり、猫社会の様子などをユーモラスに描いた人気作ですが、この名前のない猫「吾輩」には、モデルとなった猫が実在することをご存知でしょうか?その猫は、夏目漱石が37歳の時に、夏目家に住み着いた黒い猫でした。この当時の日本では、黒猫は魔除けや商売繁盛をもたらす力がある「福猫」と呼ばれていました。また、結核などの病気を治す力もあると信じられ、とても重宝されていました。この黒猫も、夏目夫婦に可愛がられて余生を過ごしたのです。漱石にとって、たいへん思い入れのある猫であったらしく、作品の発表後1908年9月13日にこの猫が亡くなると、知人に死亡通知書を送り、庭の桜の木の下に埋葬して立派なお墓を建てました。この猫の晩年の様子が描かれた「猫の墓」という随筆も発表されています。猫の墓は戦争で焼失してしまいましたが、後に復元した「猫塚」が、今も新宿の漱石山房記念館に残っています。夏目漱石にとって、この猫は物語のモチーフというだけでなく、かけがえのない家族の一員だったのです。

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